私たちの哲学

あらゆる人には喜びを味わう根本的な権利がある。またそれに伴いその権利を

可能とするところの食の遺産、伝統と文化を守る責任がある。

我々の運動はこのエコ・ガストロノミー――お皿とこの惑星とには強い結びつきがあるという認識――のもとに成り立っている。

スローフードは、美味しくて(Good)、環境に配慮された(Clean)、公正な(Fair)食べ物のことだ。

我々が口にする食べ物は美味しくあるべきだ。

そして環境や動物の権利保護や私たちの健康に害を与えないクリーンなやり方で生産されるべきだ。

さらに生産者は労働に対する公正な報酬を受け取るべきだ。

我々は消費者ではなく「共生産者」であるべきだ。

食がどのように生産されるかを知らされ生産する人を活発にサポートしようとするとき、我々は生産の過程の一部、もしくはパートナーとなるからだ。

コンヴィヴィウムとは?

 私たちの支部はコンヴィヴィウムと呼ばれます。この地域グループを通して私たちのコンヴィヴィアリティ(共生)哲学が的確に普及されるからです。コンヴィヴィウムを通して、食が育む喜びをシェアするためにメンバーたちが集まります。食遺産とその伝統、文化を守るために、スローフードは私たちの喜びの権利とそれに付随する責任をベースとして創立されました。

ダブリンからデリー、ナイロビ、横浜にいたるまで、現在世界中に850を超えるスローフードのコンヴィヴィウムが存在しています。その活動は私たちの哲学を遠く広く流布し、あらゆる場所の生産者をスローフードのネットワークにつなぎとめます。コンヴィヴィウムはスローフードの根幹をなすもので、日々のメンバーの絶え間ない努力によって運営されています。

彼らは自分の時間とエネルギーを使って、スローフードのアイディアが実現されるように働きかけています。

私たちのミッション

1.生物多様性の保護

2.味覚教育

3.生産者と共生産者をつなぐ

スローフードはイベントやイニシアチブを通じて、私たちの食料供給の多様性を守り、味覚教育を広め、すぐれた食の生産者と共生産者を結びつけるために動いています。

生物多様性の保護

品質の良い食べ物や飲み物を楽しむことは、工業化されたアグリビジネスと慣行食品が優勢に

なることによって、絶滅の危機にさらされてしまった無数の伝統的な穀物、野菜、 フルーツ、

動物種、食品を守る努力と結びつけられていなくてはならないと、スローフードは考えます。

味の箱船とプレシディオ(どちらもスローフード基金によって支えられています)、テッラ・マードレによって、スローフードは私たちのかけがえのない食遺産を守ろうとしています。

食教育

感覚をトレーニングし呼び覚ますことで、スローフードは人々に食べることの楽しみを再発見させ、食べ物がどこから来るのか、誰がそれを作るのか、どう作られるのかということを知ることの大切さを理解する手助けをします。味覚ワークショプは専門家によるガイド付きのテイスティングを

提供し、コンヴィヴィウムの活動は、メンバーやメンバーでない人々に対して、地域の食材と

生産者を提示します。コンヴィヴィウムによる スクールガーデンのような学校での活動は、

最も若い年代の食する人々に、自分たちの食べる、作っている食品に対して実地の経験をさせます。

スローフードは科学と食文化における学際的な大学プログラムを提供するために、食科学大学(UNISG)を創立しました。UNISGはアカデミックで科学的な分野の革新やリサ ーチと、

農民や生産者の伝統知識を結びつけるために、スローフードが打ち出した独自の方法です。

生産者と共生産者を結ぶ

スローフードは、ガストロノミー的に秀でた生産物を提示するために、賢明な消費者たちに生産者と出会う機会を提供するために、地域的または国際的なレベルでフェアやイベントを開催します。サローネ・デル・グストやチーズ、スローフィッシュ、味覚の原点へ、テイスト・オブ・スローなどのイベントを開催しています。